- 子どもとどう向き合っていけばいいのかわからない
- 子どもがいい子過ぎるような気がする
- 子どもが自分で物事を決めず、親の様子を気にしているような気がする
- 子ども時代の自分の様子と似ていて心配
毒親育ちやアダルトチルドレンの方は、自分の育ちの影響から、自分の子と向き合う態度に困ったり、子どもが自分の子ども時代と同じ様子だと不安に思ったりすることがあると思います。
これは「人間の価値」について、親から誤った認識を受け継いでいることが大きく関わっているかもしれません。
私もかつては我が子とどんな態度で向き合っていけばいいのか、わかりませんでした
しかし、アドラー心理学を元にした「アドラー式子育て」を学んだことで、今は健康な態度で子どもと向き合うことができていると実感しています。
この記事では、我が子や自分、家族に向けるべき健康な態度(価値)について解説します。
この記事を読み終わるころには、子どもが親から本当に心から欲しがっているものが理解できるようになっているはずです。
先に結論だけお伝えすると、子どもが欲しがっているものは「存在価値」です!
人間には2つの価値がある
今回は次の書籍を元に解説をしていきます。
人間には2つの価値があるという考え方があります。
- 機能価値
- 存在価値
それぞれについて解説します。
機能価値|役に立つか立たないか
機能価値は、「役に立つか立たないか」の軸で考える価値のことです。
これは例えば営利企業などで必要な考え方です。
営利企業は、利益を追求する組織です。
なので利益を得るために「役に立つか立たないか」は重要な指標となります。
存在価値|存在自体に意味がある
一方、存在価値は「存在自体に価値がある」という考え方です。
これ人間の心の基本であり、対人関係の基本です。
ましてや親子関係では愛着の形成に関わるなど超重要となります!
「存在自体に価値がある」って言われてもピンとこないなぁ
例えば、産まれたばかりの赤ちゃんは自分で自分の世話をすることもできませんよね。
なので機能価値で言ってしまうと「役に立っていない」のです。
でもそんなこと家族は気にしませんよね?
ここにいてくれるだけでうれしい!
元気で生きていてくれるだけで充分!!
と思いますよね!
これは「赤ちゃんは存在しているだけで価値がある」と捉えているからなのです。
子どもを機能価値で見ると…「いい子症候群」なる!?
自身の経験や毒親の書籍を読んで思うことは、毒親は基本的に子どもを機能価値で見ているということです。
子どもを機能価値で見ることによる典型的な子どもへの影響の1つが、「いい子症候群」です。
いい子症候群とは
いい子症候群とは、親が思い描くような「いい子」でいようとする子どもが見せる様々な症状のことです。
いい子症候群の特徴は、
- 親や他者の顔色を過剰にうかがう
- 自分で選択して決めることが難しい(自分の意思が持てない)
- 反抗期がない
- 感情表現・自己表現が苦手
- 自覚していない子が多い
私は親の顔をうかがって自分の発言を決めていたこと、反抗期がなかったことが非常に当てはまっていました
いい子症候群になってしまう原因は
一言で言えば、親が「機能価値で子どもを見てきたこと」と言えます。
いい子症候群に陥っている子の親は、子どもを自分の期待に応えさせようとしてしまいます。
つまり、
- 自分の期待に応えてくれる=役に立つ子
- 自分の期待に応えてくれない=役に立たない子
として接するのです。
なので、子どもが親の期待に応える行動をしてくれるとほめたり、応援したりします。
しかし、子どもが自分の期待に応えない行動したり意見を言ったりすると、怒る、「せっかく○○してあげたのに」などとマイナスな反応をします。
すると子どもは、
親を悲しませてしまった!期待に応えなきゃ!
と思うようになるのです。
子どもはどんな親でも親が大好きです。
なので親が喜んでくれるように一生懸命考えを親に合わせたり、行動したりするのです。
もちろんここには親が「子どものために」と思って善意と思ってやっていることもあります。
例えばこのような言葉を聞いたことありませんか?
私は子どものころにピアノが習えなかったから、子どもには習わせてあげたい!
確かに親の気持ちとしてはわかる気もしますが、子どもの意思はどうでしょうか?
良かれと思っていても、子どもの意思を尊重していなければ、結局ただの押し付けになってしまうのです。
いい子症候群になった子は、大人になるとどうなるか
いい子症候群になった子は、そのまま大人になるとアダルトチルドレンになります。
私も今でこそだいぶ克服しましたが、以前はアダルトチルドレンだったと自覚しています
- アダルトチルドレンについて詳細はこちら→親子関係が苦しい人に知ってほしい4つの用語|毒親、マルトリートメント、アダルトチルドレン、機能不全家庭
いい子症候群の子は、自分自身のことも機能価値で見るようになってしまいます。
つまり、自分自身を「人から見て役に立つか立たないか」の軸で見てしまうのです。
その結果、大人になってから
- 自分というものがわからない
- 自分が何をしたいのかわからない
- 人の顔色を過剰にうかがってしまう
- 理不尽なことがあっても怒れないなど、感情表現が苦手
- 自己肯定感が低い
というような状況に陥りやすくなってしまいます。
私の場合、幸い大人になってからですが反抗期が来てくれたおかげで、「自分」というものを自覚することができました!もしもあの時反抗期がこなかったらと思うと…恐ろしいです
しかしそれでも人の顔色が気になってしまい、それが元で体調を崩すこともありました…
子どもに向けるべきは存在価値
我が子に向けるべきは存在価値です。
存在価値で子どもを価値づけると、人間の土台がしっかりします!
人間の土台がしっかりするってどういうこと?
それは
- 心が安定する
- 自立ができる
- 機能価値の高低で心が揺らぎにくくなる
- 社会と調和して生きる基礎となる
ということです。
子どもが本当に欲しがっているのは「存在価値」です!
これは機能不全家庭に育った私の経験、8年間教育分野で働いてきた経験からも絶対の自信があります!
また100年以上の歴史があり、最近話題にもなっているモンテッソーリ教育では
子どもは自立に向けて成長したがっている
と言います。
つまり、自立に向かう親のかかわりを子どもは本能的に求めているのです。
それに、普通に考えて存在価値を認められているって心地がいいですよね!
今回の記事の元になっている『もしアドラーが上司だったら』では、次のような記述があります。
人間だもの。弱さもあるさ。できないこともあるさ。失敗もする。でもそんな自分をそのまま抱きしめよう。
小倉広(2017)「もしアドラーが上司だったら」プレジデント社
この本は自分に向けてのメッセージとして伝えてくれていますが、子どもにもこのような接し方をしてあげたいですよね!
人間だもの。弱さもあるさ。できないこともあるさ。失敗もする。でもそんな我が子をそのまま抱きしめよう。
ぜひ、我が子もそして自分も丸ごと抱きしめてあげてくださいね!!
まとめ
今回は子どもと向き合う態度を学ぶために、「機能価値」「存在価値」について解説しました。
- 機能価値は「役に立つか立たないか」の軸
- 機能価値で子どもをみる弊害の1つが「いい子症候群」になる可能性
- 存在価値とは、「存在自体に価値がある」という考え方
- 存在価値で子どもをみると、子どもの人間の土台がしっかりする
- 子どもが本当に欲しがっているのは存在価値
- どんな姿の我が子もそのまま抱きしめよう
今回の解説はアドラー心理学を扱った書籍を元にしましたが、注意点として「機能価値」「存在価値」はアドラー心理学の言葉ではありません。
しかしこの二つの価値の考え方はアドラー心理学を理解をわかりやすくしてくれるため、用いられています。
今回紹介した『もしアドラーが上司だったら』では、より詳しく存在価値について、そしてどうすれば存在価値を大切にできるのかが解説されています。
さらに上司の「ドラさん」と部下の「リョウくん」の会話形式で進められており、非常に読みやすい書籍となっていておススメです!
読書は苦手
忙しくて読む暇がない
という人は、Amazonオーディブルで聴く読書をすることをおススメします!
特に本書は会話形式なので、聴く読書には最適です。
しかもAmazonオーディブルなら、初回の利用で本書が無料でもらえますよ!
子育てのヒントも与えてくれ、自分の心も元気づけてくれる良書です!
ぜひ読んでみてくださいね♪