- 我が子とよい関係を築きたい
- 子どもとの接し方がわからない
- 子どもを叱りすぎてしまって後悔する
と悩んでいませんか?
子どもと良好な関係を作るための正しい心構えと接し方があります。
実は日本の昔からの子育ては、現代の子どもと「本当の良い関係」を築くのには不向きなのです。
なぜなら現代の子どもに必要なのは「対等な親子関係」だからです。
私は依存型毒親育ちで、親とは良好な関係ではありませんでした。
なので子育てのよいモデルがなく、我が子とどうやって接すればいいのか正直わかりませんでした。
しかし今はアドラー心理学を基にした「アドラー式子育て」を学び、教育分野で働いた経験や毒親育ちの経験も生かして子どもと良い関係を築けていると感じています。
この記事では、現代の子どものためになる良好な親子関係を作る3つの心構えと8つの接し方を解説します。
この記事を読むと子どもを叱ることが減り、親子の信頼関係や子どもの自尊感情を伸ばすことができます。
まずは結論です↓
子どもとの接し方にみんな悩んでいる
子育てに悩まない人はいません。
それは、子どもへの対応には正解がないからです。
特に毒親育ちさんは、子育てのよいモデルがないため余計に対応に悩むことが多いと思います。
子育てには正解はありませんが、「よい対応の方向性」「悪い対応の方向性」はあります。
例えば「悪い対応の方向性」は、虐待やマルトリートメントです。
一方「よい対応の方向性」とは、これから紹介する心構えです。
子育てに悩むことは決して悪いことではありません。
むしろ悩みながら我が子にとってよりよい対応を考えることが大切なのです。
今回紹介する心構えがよい対応を考える一つの基準として役に立つはずです。
子どもとよい関係を築く3つの心構え
- 子どもを一人の別の人間と認識する
- 子どもを尊敬する
- 子どもを信頼する
今回はこの書籍を参考に解説をしていきます。
私がアドラー式子育てを実践した経験、そして毒親育ちの経験も交えて解説しますね!
アドラー心理学について知りたいという方は、次の書籍がおすすめです。
【心構え①】子どもを一人の別の人間と認識する
子どもは親のものではありません。
我が子とは言え、親とは別の人格を持った一人の人間です。
この大前提を忘れてしまうことを、子育てでは時々あります。
さらに度を越して
子どもは親の言うことを聞くべき
子どもは親の役に立つべき
というように「子どもは親のモノ」扱いする域になると「毒親的子育て」になってしまうのです。
自分のことを「意思や感情がある一人の人間」として接してくれない人と関係を築きたいと思いませんよね。
子どもとよい関係を築くには、お互いが「一人の人間」として対等な立場でいる必要があるのです。
【心構え②】子どもを尊敬する
子どもを尊敬するってどういうこと?逆じゃないの?
そう思いますよね。
アドラー式子育てでは、次のように考えます。
子どもも大人も、ただ一回きりの人生を懸命に生きるひとりの人間として同じだと考えられれば、 自分にはない長所を持っていることや、自分にはない発想をすることなどに気づくはずです。
清野雅子・岡山恵実(2018) ほめない、しからない、勇気づける 3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」小学館
たしかに子どもを見ていると、
自分にはこんなこと思いつかなかったな~
想像力が豊かだな~
よくこんなもの発見したな!
など驚くことありますよね!
子どもを一人の人間として尊敬する立場に立つと、子どもの良いところが見つけやすくなります。
そうなると、子どもと良い関係を築く行動が自然と取りやすくなるのです。
【心構え③】子どもを信頼する
子どもを信頼して、子どものことは子どもに任せるようにしましょう。
ほとんどのことがいつか一人でできるようになります。
そして子どもは自分が信頼されていると思えば、親も信頼するようになります。
でも子どもに任せた結果、失敗することだってあるんじゃないの?
そもそも人間は失敗する生き物です。
それに失敗したっていいじゃないですか!
子どもは失敗から生きるための力を学びます。
なので目先の一回の失敗ではなく、将来まで見据えて子どもを信頼することが大切なのです。
子どもとよい関係を築く接し方8選
ここでは、アドラー式子育てを元にした具体的な接し方の一部を解説します。
ここにある接し方は、子どもを勇気づけ、良好な親子関係を築き、子どもの自立を促してくれる接し方です。
勇気づけとはアドラー心理学の概念で、子どもに
- 私には能力がある
- 人々は私の仲間だ
という信念をもたせてくれ、最終的に
- 自立
- 社会と調和して生きる
ことを促してくれる接し方のことを指します。
どの接し方も根っこは先ほど解説した心構えがあってこそ!忘れないでくださいね
【接し方①】子どもの話をよく聴く
よい親子関係を築くには、子どもを理解しようとすることが必要です。
簡単に実践できて、効果的な話の聴き方を3つ紹介します。
- 最後まで聞く
- 子どもの方を向いて聴く
- 子どもが黙ってもせかさない
子どもの話を聴くときは、
- 子どもの考え
- 感情(どんな気持ちか)
- 意思(どうしたいのか)
を聴き取るように意識すると、子どもへの理解が深まる話が聴けます。
【接し方②】結果でなく、過程を見る
結果も大切ですが、それ以上に過程を重視しましょう。
たとえ結果がよくなくても、過程には
- 子どもの努力
- 工夫
などのよいところがあるはずです。
大人だって結果しか見てもらえなかったら苦しくなってしまうよね
親が過程に注目してフィードバックしていくことで、子どもは勇気づけられ、自信が持てるようになります。
【接し方③】他の子どもと比較しない
他の子どもと比較するのではなく、過去の我が子と比べましょう。
他の子どもと比較することは、子どもの成長にとって意味がないとアドラー式子育てでは考えます。
子どもにはそれぞれ個性がありますし、どんな生き方をするのかも子どもによって変わります。
「その子らしく生きる」ことを本当は応援したいですよね?
例えば、
サッカー選手になりたい!
と頑張っている子どもに
○○君はあんなに野球が上手なのに、うちの子は野球が全然上手にならない
と比べていても意味ありませんよね!
それよりも過去のわが子がどんな成長をしたのかを見つめてみましょう!
子どもは必ず成長します。
その成長を認めて子どもに伝えることで、子どもを勇気づけることができます。
【接し方④】子どものよいところを見つけよう
- 日常生活の子どもの行動
- 親が「嫌だな」「困ったな」と感じる子どもの行動
の中には必ず「いいところ」があります。
どんな物事にも良い面と悪い面は必ずありますよね。
例えば「兄がやきもちを焼いて妹をたたいて泣かせてしまった」場面を考えてみます。
妹をたたいて泣かせた
- やきもちを焼くほど親が好き
- 自分の気持ちを素直に表している
ぜひ悪い面ではなく、よい面の方に注目してみてください。
そうすると次のようなメリットがあります。
- 親の負の感情が収まりやすくなる
- 子どもの目線に立って考えることができる
- 子どものよい面を知ることができる
- 問題の原因でなく、解決策に目を向けることができる
よい面のメリットを活かすことで、問題が起こった時も子どもと話し合って解決することができるのです。
【接し方⑤】失敗は叱らず、どうすればいいか話し合う
失敗は叱らないようにしましょう。
失敗は子どもが成長するチャンスです。
失敗の中には子どもの
- よい意図
- 努力
- チャレンジ精神
など、よい面がたくさんあります。
失敗したときは以上のようなよい面を認めつつ、
- 失敗を繰り返さないためにはどうすればいいか
- 失敗してしまったらどうすればいいか
を一緒に考えるようにするといいですよ。
【接し方⑥】子どもの課題は子どもに任せよう
子どもの課題(問題)解決は子どもを信じて任せてみましょう。
子どもは自分の課題を自分で解決することで、問題解決能力を高めて成長していきます。
日本の子育ては、親が子どもの課題に口を出したり、肩代わりしたりすることが多いと言われています。
親が子どもの課題を肩代わりしてしまうと次のような弊害が出てしまうかもしれません。
- 自信を失う
- 依存的になる
- 反抗的になる
- 失敗を人のせいにするようになる
- 親が忙しくなる
清野雅子・岡山恵実(2018) ほめない、しからない、勇気づける 3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」小学館 より引用
逆に親に信頼されて任されることで子どもは
僕には能力があるんだ!
親は私の仲間だ!
と感じられるようになります。
- 子どもの課題の見極め方、子どもの適切な助け方→協力し合う親子関係を作る「課題の分離」|アドラー式子育て中の公認心理師が解説!
【接し方⑦】事実と意見は分けて話そう
意見を事実のように話して子どもに押し付けると、親子関係が悪くなってしまうことがあります。
主観的な考え
- 実際に起こった事柄
- 現実に存在する事柄
そして子どもの不適切な行動の「良い悪い」の判断は、ほとんどの場合「親の意見に過ぎない」のです。
例えば子どもが宿題をしないと、親はもやもやしますよね。
多くの方は「宿題をしない=よくないこと」と捉えていると思います。
だからきっとこんなことを言いたくなりませんか?
宿題は絶対にやらないといけないことだよ
宿題しないと将来勉強できなくなるよ
さて、これらは事実にように話されていますが本当に事実でしょうか?
これらは意見ですよね。
- 「宿題は本当に絶対やるべきもの」は人によって考えは変わる
- 宿題しなくても勉強ができる人はいる
実は親がもやもやする子どもの行動への考えは、ほとんど「意見」です。
これを踏まえて言葉がけを変えるだけで受け取る側の印象は大きく変わります。
宿題はやった方がいいと思うよ
宿題しないと将来勉強ができなくなりそうで心配だな
上記のように「~と思う」「~と感じる」と言葉を付け足して意見言葉にしただけで、少し受け取りやすくなったように感じますよね。
事実と意見を分けて話すだけでも、子どもとの関係は作りやすくなります。
【接し方⑧】感情的にならず話し合おう
子どもが困った行動をしたときに感情的に対応してしまうと、子どもとの関係はこじれやすくなります。
親がマイナス感情だけにとらわれてしまうと、悪い影響の方が強くなってしまうからです。
例えば次のような悪影響が出てしまいます。
- 子どもの良いところが見えなくなってしまう
- 子どもの話を聴く余裕がなくなってしまう
- 親の意見を一方的に押し付けてしまう
- 子どもは感情的な親から学ぶことはできず、同じことを繰り返してしまう
- 子どもが消極的になってしまう
- 親子関係が悪くなる
一方、親が心を一旦落ち着けて子どもの話を聴くことができれば、
- 子どもの良いところが見える
- 困った行動の理由がわかる
- これからどうすればいいか話し合うことができる
- 子どもは親は仲間だと思ってくれる
というよいことがあります。
感情を鎮めることは一苦労かもしれませんが、人間は感情をコントロールできる生き物です。
自分なりのクールダウン法を考えて、マイナス感情が高ぶってしまったときは落ち着かせて対応してみてください。
きっと、感情的な自分よりも良い対応ができるはずです。
よい親子関係を作る3つの心構えと8つの接し方:まとめ
今回の記事では、アドラー式子育てを元によい親子関係を作る3つの心構えと8つの正しい接し方について解説しました。
今回紹介したよい親子関係を築く接し方はごく一部のものです。
子どもへの対応には正解はありません。
そして我が子に合わせた接し方は状況や年齢でも異なり、無数にあります。
しかし、よい対応を考えるための考え方というものはあります。
このブログでは、良い親子関係を築く考え方や基本となるテクニックを紹介していますので、ぜひ次の記事も参考にしてみてください。
また今回の記事の元になっている書籍は、アドラー式子育てをわかりやすく解説しています。
良書なので興味があったら読んでみてください。
またアドラー式子育ての基になっているアドラー心理学について知りたいという方は、次の書籍がおすすめです。