- 毒親にならないための方法が知りたい。
- 自分が知らないうちに毒親と同じことをしてしまったらどうしよう。不安。
- 今、自分は毒親になってしまっている。どうすればやめられるのだろう。
- そもそも子育ての仕方がわからない。
毒親育ちさんは自分の親とは違う子育てをしたいと思っていると思います。
しかし、毒親の元で育ったがゆえにそもそも「健康的な子育て」というものを知らない場合が多いと思います。
私は依存タイプの毒親の元で育ち、出産後も「自分も毒親と同じことをしてしまったら…」と不安におびえていました。
しかし今は子育てを学んだことで、自信をもって楽しく子育てができています!
この記事には、アドラー式子育てとモンテッソーリ教育を基にした「健康で人生が豊かになる子育て法」をギュギュっとまとめて4ステップで解説しています。
この健康的な子育てのマインドとテクニックを学ぶことで、自分の中にある毒親の影におびえることなく安心して子育てができるはずです!
ここでまず結論を紹介します。
- 子育ての目標を設定しよう
- 本当によい親子関係とは何かを学ぼう
- 子どもの発達を学ぼう
- 子どもの成長を応援する具体的な方法を学ぼう
毒親とは
毒親とは、「毒になる親」の略で子どもの人生に害悪を及ぼす親のことを示します。
この言葉は、スーザン・フォワード氏が『毒になる親 一生苦しむ子供』という著書で発表した言葉です。
毒親に育てられた人は、負の連鎖を起こしやすいと言われています。
私も自分が知らず知らずのうちに毒親になってしまったら…と不安に思っていました
このような悩みを抱えている毒親育ちさんは少なくないと思います。
しかし毒親と決定的に違うのは、「毒親になりたくない!」「自分の親とは違う子育てがしたい!」と思っていることです。
その思いがあることが、自分を毒親化から脱出させる第一歩になることでしょう!
次の章からは、毒親から脱出するための知識と方法を解説します!
- 今の自分を客観的に見てみたい人は次の記事をチェック→【脱毒親】自分は毒親なのか?毒親の特徴と思考回路を解説!|おすすめの毒親チェックリスト
健康な子育てを知らないから負の連鎖が起こる
そもそもなぜ負の連鎖が起こるのでしょうか?
それは「健康な子育てを知らないから」というのが大きな要因の一つだと考えます。
毒親育ちさん、こんな経験はありませんか?
- 友だちの家庭の常識と自分の家庭の常識が違う(家庭ってそんなに安心できるところなの?という意味で)
- 自分の家庭の話を友だちにしたら驚かれる
このように、人から話を聞いてはじめて「自分の家は変わっている」と気づく人も多いと思います。
子育ては学校では教わりません。
なので自分から学ばない限り、自分が親からされた経験で子育てをしていくしかないのが現状です。
健康な子育てを知らないのだから、健康な子育てを自分だけの力でやろうとするにはどうしても無理があります。
しかし、子育てにはきちんと方法があります!!
「健康な子育てをしたい!」「子どもを幸せにしたい!」という気持ちさえあれば、後は学んで実行すれば自分の親とは劇的に違う子育てになるはずです!!
ぜひ次の章から健康な子育てを学んでください。
豊かな人生になる健康な子育て4ステップ
STEP1:子育ての目標を設定しよう
子育てをする際にぜひやってほしいことは、「健康な子育ての目標」を設定することです。
子育てには軸が必要です。
きっとこの記事にたどり着いたあなたは「子どもに幸せになってほしい」という願いを胸に抱いていると思います。
しかしこのような現実があります。
- 軸がないために子どもへの対応がぶれてしまい、行き当たりばったりの対応になる
- 毒親に至っては、「子どもの幸せ」が目標でなく、「自分の幸せ」が目標になっていることが多い
つまり、健全な家庭に生まれ育った人も「健康な子育ての軸」を設定することが大切ということなのです.
ここでおすすめしたい子育ての目標がアドラー式子育ての「子育ての目標」です。
【行動面の目標】
- 自立する
- 社会と調和して生きる
【それを支える心理面の目標】
- 「自分には能力がある」という信念をもつ
- 「人々は自分の仲間だ」という信念をもつ
参考文献:清野雅子・岡山恵実『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』(2018)小学館
アドラー式子育ての基となったアドラー心理学は、「人間の幸せとは何か」を超具体的に追究した心理学です。
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そのため、この子育ての目標も「子どもが幸せになるため」の目標という訳なのです。
このアドラー式の子育ての目標に向かって子育てをすれば、まず毒親になることはありません!!
子育ての目標を軸に自分の日々の子どもへの言動をチェックしていくことで健康で豊かな子育てになります。
子育ての目標の具体的な使い方は次の記事で学ぼう→【アドラー式】アダルトチルドレンも安心して実践できる最高の子育て|子育ての目標を定めよう
STEP2:本当によい親子関係とは何か学ぼう
本当によい親子関係とは「対等な関係」
本当によい親子関係とはずばり「対等な関係」です。
アドラー心理学では、「人間は全て人間としての価値は同じ」と考えます。
価値には2種類の考え方があります。
- その人が存在しているだけで価値があるという考え方
- 「役に立つか立たないか」という軸での考え方
アドラー心理学では「その人は存在しているだけで価値がある」と考えます。
例えば、産まれたばかりでまだ何もできない赤ちゃんは、機能的に言うと「何の役にも立たない」と言えます。
でも、そこに元気いてくれるだけで「うれしい」「ありがたい」と思いますよね!
これが存在しているだけで価値があるという考え方です。
一方、毒親育ちの皆さんの多くは、親から対等な扱いをされてこなかったと感じているのではないかと思います。
毒親の特徴でよくあるものの一つに「子どもを親の所有物だと思っている」というものがあります。
私も親から「役に立たない」と思われたときはとても怒られました…
これが「役に立つか立たないか」という軸の価値の考え方です。
つまり、本当に健康な親子関係は「ありのままの存在を認め合う対等な関係」なのです!
- 詳しくはこちらの記事で→いい子症候群とは?大人になってからの影響|心が強い子に育つ鍵は存在価値!
- 人間の2種類の価値が学べるおすすめの書籍↓
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親が子どもに取るべき3つの態度
「親子は対等」を前提としたときに親がとるべき態度は次の3つです。
- 子供を尊敬する
- 子供を信頼する
- 子供は別の人間と心得る
人は心から「対等」と思っている人に対してはこのような態度でいるはずです。
例えば、自分が心から「対等」と思っている気心が知れた友人を思い浮かべてください。
その友人には、次のように考えていませんか?
- 尊敬したり、ありのままを認めたりしている
- 信頼している
- 仲は良くても別の人間と思っている
子どもは友人とは違いますが、人間として付き合いの心構えとしては同じ態度が必要です。
親が子どもにできること
親が子どもにできることは、ずばり「環境を整える」ということです。
子育ての環境には次の2種類あると考えています。
- 心理的環境
- 物理的環境
「心理的環境」とは、子育ての心構えのことです。
内容としては、次の3つです。
- 子育ての目標に向かって子育てすること
- 子どもの発達の知識を持つこと
- 親子は対等で協力し合う仲間だと心得ること
つまり、まさに今この記事で学んでいることです。
「物理的環境」とは、子育ての必要なモノのことです。
ここでは、基本的な生活に必要なもの(衣食住に関わるもの)でなく、子どもが健康で豊かな人生を送る能力や人格を育てるためのおすすめ物理的環境を紹介します。
物理的環境を整えるおすすめの方法は「モンテッソーリ教育を学ぶこと」です。
モンテッソーリ教育は、たくさんの著名人を輩出していることで近年日本でも有名になった教育法です。
モンテッソーリ教育の子育ては、子どもが本来持つ力を伸ばし、自立して生きる力を身に着けるお手伝いをするというものです。
モンテッソーリ教育の特徴は「お仕事」という考え方です。
お仕事とは、「子どもが自分の発達のために必要で行う活動」のことを言います。
お仕事をするには教材が必要です。
家庭で教材を用意する方法は3つあります。
- 日常生活を教材化する
- モンテッソーリ教具を手作りする
- モンテッソーリ教具を購入する
詳しくは以下の記事や書籍で↓
- 日常生活を教材化する→【準備中】敏感期の子どもが能力を伸ばす過程
- モンテッソーリ教具を購入する→【準備中】モンテッソーリ教具とは
- モンテッソーリ教具を手作りする→下記の書籍がおすすめ!
お仕事のように、子どもが体を動かすこと、特に指を動かすことは、自立に必要な脳を育てることでもあります。
そのためには、子どもとモノとの関わりも重要ということになのです!
STEP3 子どもの発達を学ぼう
子どもの発達を学ぶことは非常に重要です。
なぜかと言うと、親のメンタルが整うのです。
例えば発達を学ぶことで、子どもの様々な変化や板ずれに落ち着いて対応することができます。
つまり、イライラを減らし子どもを叱ることが減るという感情コントロールがしやすくなります。
そして、子どもに適切な対応取ることができ、子どもの成長を応援しやすくなるのです。
知っておくとよい子どもの発達について5つ解説!
ここで、子どもの発達について押さえておくとよい知識を5つ解説します。
1.子どもの行動は「すべてが必要で行動している」もの
子どもの行動は「すべてが必要で行動している」ものです。
アドラー心理学では、目的論という考え方があり、「人は全て何かの目的に向かって行動している」と考えます。
またモンテッソーリ教育では、「子供は自らを成長・発達をさせる力と欲求を持って生まれてくる」と考えています。
つまり子どもは「自らを成長・発達させるために行動している」ということなのです。
なので、大人を悩ませるいたずらも子どもにとっては大いに意味があることなのです。
2.敏感期
敏感期とはモンテッソーリ教育の考え方で、子どもがある能力を伸ばしたがる旬の時期のことを言います。
例えば、幼い子どもががティッシュをひたすら出すという定番いたずらがありますよね。
それは「指でつまんで引っ張る」という能力を伸ばしたがっているということなのです。
この敏感期を上手に使って子どもの発達を応援できると子どもの能力がどんどん伸びていきます。
3.子どもは経験から学ぶ
子どもの学習方法は、
- 模倣
- 言語
- 経験
の3つがあります。
その中でも特に子どもにとって「経験が最も重要」と言われています。
子どもが経験すべき体験は次の4つです。
- 自分で選んで決めた経験
- 自分で問題を解決した経験
- 失敗
- 人から信頼してもらえた経験
【詳細はこちら】経験値を上げる4つの体験!子どもを伸ばす適切な親の見守り方|アドラー心理学とモンテッソーリ教育の子育て法
3.よい経験が積めると環境は子どもの脳を育てる
上記のようなよい経験が積めると、子どもの脳は育ち、健康で豊かな人生が遅れる「自立した脳」に成長します。
子どもの前頭葉を育てて自立を応援!脳のしくみと伸ばすべき3つの能力【公認心理師が解説!】
一方、子どもの心を傷つける経験が長期間にわたり継続して起こると(つまり毒親の子育て)、子どもの脳は傷ついてしまいます。
【事例あり】子どもの心と脳を傷つける「マルトリートメント」|毒親育ち公認心理師が解説
5.子どもの脳を育てる環境をどう作ればいいか?
それは、やはり「子育ての目標に向かって子育てすること」なのです。
子どもの前頭葉を育てて自立を応援!どんな場面でもできる子どもの脳を育てる親の関わり方【公認心理師が解説】
STEP4 子どもの成長を応援する5つの具体的な方法
- STEP1 健康で豊かな人生になる子育ての目標を軸に向かって子育てすること
- STEP2 本当によい親子関係とは、「対等な関係」であること
- STEP3 子どもは「自らを成長・発達させるために行動をしている」ということ
これらを踏まえた上で、具体的にどんなことをしていけばいいのか5つ解説します。
1.子育ての目標を常にチェックする
先に解説した子育ての目標の心理面の目標を常にチェックしましょう!
- 「自分には能力がある」という信念をもつ
- 「人々は自分の仲間だ」という信念をもつ
これらを常にチェックしながら子育てをしていくことで、自立し社会と調和した子どもを育てることができます。
【アドラー式】アダルトチルドレンも安心して実践できる最高の子育て|子育ての目標を定めよう
2.いいところ探しをしよう
子どもの注目の仕方には大きく2つあります。
- 正の注目
- 負の注目
ここで大切にしてほしいのは「正の注目」です。
正の注目は簡単に言うと「いいところ探しをする」ということです。
一見よいところなないように見える状況でも、必ずよいところはあります。
よいところ(正の注目)をすることで
- 親の気持ちが落ち着く
- 親が子どものよさに気付くことができる
- 子ども自身も自分のよさを気付くことができる
- よくない状況に対する解決策を考えられるようになる
など、たくさんの効果があります。
【準備中】子どもへの2種類の注目|正の注目と負の注目
3.課題の分離をしよう
課題の分離とは、「自分の他者の課題を分けて考える」ことです。
自分の課題には自分で責任をもって解決に当たります。
一方、他者の課題の解決は他者に任せます。
親子に当てはめてこの課題の分離のメリットを挙げると次のようになります。
- 子どもへ余計なお節介をしない(子どもの成長のチャンスを奪わない)
- 親が子どもの期待を押し付けない
- つまり、「親の過干渉」を防ぐ
目の前の課題が誰の課題かを判断する方法は、「その課題の結末が誰にふりかかるか」を考えます。
例えば、学校の宿題は子どもの課題です。
学校の宿題をやってもやらなくても、「学力が身につく」「先生に叱られる」などの結末は、子どもにしかふりかかりません。
でも子どもだから一人で課題を解決できないこともあるんじゃない?
その通りです!
子どもなので親の助けが必要になることが当然あります。
親子は協力し合う対等な関係なので、適切な協力の仕方を学ぶことも重要なのです。
課題の分離は協力し合うステップの1つに過ぎません。
課題の分離にはコツもあるので、次の記事でもよく学んでみてください。→協力し合う親子関係を作る「課題の分離」|アドラー式子育て中の公認心理師が解説!
4.子どもの話をよく聴こう
子どもだけに限らず、相手の話の聴き方にはポイントがあります。
その中でも重要なものは「最後まで口を挟まず話を聴くこと」です。
大人相手だとできる人も、子ども相手だとできなくなってしまうこともよくあります。
その他の話の聴き方のポイントはこちらから→親子関係がよくなる上手な話の聞き方10選|公認心理師が解説
5.親子で協力し合おう
アドラー式子育てには「共同の課題」という考え方があります。
簡単に説明すると、親子が適切に協力し合うためのテクニックです。
共同の課題とは、
親と子が共通の目標に向かって協力する課題
向後千春『人生の迷いが消えるアドラー心理学のススメ』(2016)技術評論社
のことを言います。
つまり、先ほど紹介した「課題の分離」で分けた課題に対して親子で共通の目標を設定し、協力して解決にあたることができるようにした課題です。
共同の課題を作り、親子で課題に取り組むと、子育ての目標が達成することができます。
共同の課題を設定するには、
- 共同の課題にできる場合、できない場合を知る
- 共同の課題を作るまでのステップ
を知る必要があります。
- 詳しくは次の記事から学んでみてください→【準備中】協力し合う親子になろう「共同の課題」
- 下記の本からも学ぶことができます
毒親にならない健康な子育て4ステップ|まとめ
この記事では、毒親にならない「人生が豊かになる健康な子育て」を4つのステップで解説しました。
- 子育ての目標を設定しよう
- 本当によい親子関係とは何かを学ぼう
- 子どもの発達を学ぼう
- 子どもの成長を応援する具体的な方法を学ぼう
毒親とは、「毒になる親」の略で子どもの人生に害悪を及ぼす親のことを示します。
「自分が知らず知らずのうちに毒親になってしまったら…」と不安に思う毒親育ちさんは少なくないと思います。
子育ての負の連鎖が起こるのは「健康な子育てを知らないから」というのが大きな要因の一つです。
しかし、子育てには方法があります!
「健康な子育てをしたい」「子どもを幸せにしたい」という気持ちを胸に学んで実行すれば、自分の親とは劇的に違う子育てになるはずです。
以下では、学ぶべき子育ての4つのステップを簡単にまとめます。
- 健康な子育てをするには、「健康な子育ての目標」を設定し、それに向かって子育てする
- おすすめの子育ての目標はアドラー式子育ての「子育ての目標」
- 行動面の目標→「自立する」「社会と調和して生きる」
- 心理面の目標→「自分には能力がある」「人々は私の仲間だ」という信念をもつ
- この子育ての目標に向かって子育てすれば、まず毒親になることはない
- 健康な親子関係とは「ありのままの存在を認め合う対等な関係」
- 親のとるべき3つの態度→子どもを「尊敬する」「信頼する」「別の人間と心得る」
- 親が子どもにできることは心理的環境・物理的環境を整えること
- 心理的環境→「子育ての目標に向かう」「発達の知識を付ける」「親子は対等と心得る」
- 物理的環境→「お仕事」ができる環境を整える
- 発達を学ぶと→親のメンタルが整う、子どもの発達を応援しやすくなる
- 子どもの行動は「すべてが必要で行動しているもの」
- 敏感期:子どもがある能力を伸ばしたがる旬の時期
- 子どもは経験から学ぶ→「選択」「解決」「失敗」「信頼される」経験を積もう
- よい経験は子どもの脳を育てる
- 子どもの脳を育てる環境→子育ての目標に向かった環境
- 子育ての心理面の目標に向かっているか常にチェック
- いいところ探しをする
- 課題の分離をする
- 子どもの話をよく聴く
- 親子で協力し合う
いかがだったでしょうか?
これらの子育てのステップは全て「子どもの幸せ」に向かうためのステップです。
このステップを実践して私の人生も豊かになってきたように感じています
もちろん子育てには失敗も付き物!上手くいかない時があっても次に生かせればOK!
親子関係とは、本来あたたかくて気持ちのよいものなんです!
ぜひ学んで少しずつでも取り入れてみてくださいね!