- モンテッソーリ教育を日常生活に取り入れたい
- モンテッソーリ教育のやり方のポイントを知りたい
- 幼児教育は重要だと思っているけど、どんな教育が正解かわからない
プロ棋士の藤井聡太さんやオバマ元大統領、Google創業者などなど数々の著名人が受けていたことで有名になったモンテッソーリ教育。
子どもを自立に導く教育としてモンテッソーリ教育の考え方はおすすめです!
しかし日常生活で取り入れるにはコツが必要です。
なぜなら子どもの本能を知らないことや日本の昔からの子育てが、子どもの自立を妨げる親の行動につながっている場合が多いからです。
我が家ではモンテッソーリ教育の考え方を取り入れて子育てをしています
この記事では、モンテッソーリ教育で提唱されている子どもが能力を伸ばすステップを解説します。
子どもの能力を伸ばすステップを知ると、子どもの本能を刺激し、自立への能力を伸ばしてあげられる親の関わり方を学ぶことができますよ。
結論を先に言うと、親は環境に徹するということです。
モンテッソーリ教育は家庭でできる
モンテッソーリ教育というと、「モンテッソーリ園」で「教具」を使った教育をイメージされる方がいるかもしれません。
しかし本質は違います。
モンテッソーリ教育とは、モンテッソーリ教師や教具がなくても、誰でも利用できるモンテッソーリが教えてくれた「子どもの考え方・助け方」全般のことなのです。
数々のモンテッソーリ教育の書籍を出されている相良敦子さんは、「日常生活そのものが教材化され、生活のなかで愛深く丁寧に関わってくれる大人がいてこそ身を結ぶ教育です*」と著書で語っています。
つまり、モンテッソーリ教育とは特別な教育法なのではなく、日常生活で実践できる教育法なのです!
しかしモンテッソーリ教育の考え方・助け方を活用して子どもたちの「生きる力」を伸ばすには、知識が必要です!
以下では、子どもたちの「生きる力」を伸ばす知識を解説していきます。
*引用文献は次の書籍
敏感期とは
敏感期とは、子どもがある能力を伸ばしたがる旬の時期を言います。
どの能力をいつ伸ばしたくなるのかは、あらかじめ子どもにプログラムされているのです。
敏感期の種類やどの敏感期がいつやってくるのかの一覧表が次の通りです。
敏感期について詳しくは次の記事をご覧ください→モンテッソーリ教育の「敏感期」とは?一覧表や図解で簡単にわかりやすく解説!
子どもは能力を適切な時期に伸ばそうとするために、次のようなステップを踏みます。
子どもが能力を伸ばす5つのステップ
1.自分のやりたいことを選ぶ
やりたーい!!
子どもは本能的に自分の能力を伸ばす活動をやりたがります。
そして、「やりたい!」と自ら選んだ活動にはすごい集中力を発揮します!
子どもがやりたがっていることはできるだけ尊重してあげましょう。
うちの子は0歳児の時に、ティッシュを箱から1枚1枚全部出してたな~
2.何度も繰り返してやる
もう1回やりたい!!
子どもは、自分が「やりたい!」と思う活動は何度も繰り返してやります。
途中でやめてしまうこともありますが、それはまだその活動が子どもの発達にとって早すぎるだけです。
こういう時は「また今度やろうね」と言葉がけをしたり、ピンポイントで少しだけ手伝ったりしています
3.集中する
もくもく…(無言で集中)
子どもが集中しているときは、自分の世界に没頭しているときです。
この集中タイムに子どもの能力はどんどん引き出されています。
集中タイムの時は、子どもに話しかけないように見守りましょう。
子どもの集中力が切れてしまいます。
子どもが一生懸命だと親もつい「ほめなきゃ!」って思っちゃいますよね。でも声をかけるタイミングは次の段階で!
4.やりぬいて達成感・充実感・喜びを味わう
やったー!!自分でできたー!!
子どもはやり抜くと満足そうな表情を見せ、活動を終えます。
この時に初めて親は声をかけてあげましょう。
どんな言葉をかければいいの?
- 共感の言葉がおすすめです!
- ・できたね!
・やったね!
・がんばったね!
うちの子もやり遂げた時は「見て見て!」と見せに来ます。この時が声のかけどき!
5.新しいことに挑戦する
次は何をしようかな
満足感や充実感を味わった子どもは新しいことに興味をもちます。
この5つのステップを繰り返して子どもは自分の能力を伸ばしていきます。
子どもを自立に導く5つの親の接し方
ここでは、上記の書籍に掲載されているモンテッソーリ園には通わず、モンテッソーリ教育の考え方を育児に取り入れた夫婦の実践から解説します。
1.子どもに選ばせる
「選ぶ」ということは、自分が納得のいく人生を歩んでいくために必要な力です。
選択の積み重ねが子どもの未来を作ります。
例えば、「今日は何を食べようかな」という小さな選択の積み重ねは、将来の健康につながるかもしれません。
「どんな仕事に就こうかな」という選択は、それだけで人生を大きく変えるかもしれません。
選択するというのは簡単なようで実は練習が必要なことです。
大きな選択はともかく小さな選択って練習が必要なくらい大変なことかな?
例えば、親になんでも決められてきた子は、「自分が何を食べたいのか」すらわからないと言われています。
子どもは本来選択する力を持っています。
しかし、その力を伸ばすには親の接し方が重要です。
まずは子どもの選択を尊重しましょう。
そして人には様々な考え方や価値観があることを伝えて選択肢がたくさんあることを教えてあげてください。
2.助けすぎないで待つ
子どもが自分でやりたがっているときは、気が済むまでやらせて待ちましょう。
親が手伝うときは、
- 子どもが納得するまで試行錯誤をした上で手伝う
- やり方を教えるときは、できるだけゆっくりと動作を見せて教える
親が手伝うタイミングを見計らうのが難しそう…
おすすめは、このブログで何度も紹介している「アドラー式子育て」の考え方です。
- 子どもを手伝うタイミング
- ・子どもから親に頼んできたとき
・親から手伝うか聞いて、子どもが受け入れたとき
このタイミングなら子どもの自立の芽生えを邪魔せず、子どもを助けることができます。
- 詳しくはこちら→【準備中】助け合う親子のテクニック「共同の課題」
アドラー式子育てとモンテッソーリ教育はお互いの弱点を補いあってくれる相性の良い組み合わせ。我が家では組み合わせて実践しています
3.自分でできるように環境を整える
子どもの服、おもちゃ、文房具、絵本など、子どもが使う全ての物をなるべく子どもの手の届くところに収納しましょう!
また、洗面台やトイレには踏み台を置くなどして、自分でできるように環境を整えることも重要です。
そして「親も環境の一部」と捉え、子どもの見本となるような態度を心がけるといいですよ。
例えば
- 脱いだ靴をそろえる
- 着替えた服はたたむ
- 言葉遣いに気を付ける
子どもは親のまねをして育ちます。
見習ってほしいことは言って聞かせるだけでなく、見せることが重要です!
4.提示をする(ゆっくり見せる)
子どもに何かのやり方を教えるときは「ゆっくり見せる」ことが重要です。
見せることは、子どもの脳のミラーニューロンやワーキングメモリという場所を活性化させ、脳神経回路を豊かにしてくれます。
見せて教えることをモンテッソーリ教育では「提示」と言います。
- 教えたい活動を一つだけ取り出す
- 一連の動作を分析して、一つひとつの動きを切り離す
- 一つひとつの動きを正確に、ハッキリ示す
- ゆっくり、順序立てて、意識して、やって見せる
- その際、言葉を伴わない(動作と言葉を離す)
引用:相良敦子『増補新版モンテッソーリ教育を受けた子どもたち幼児の経験と脳』河出書房新社,2017
提示の手順が難しい!と思った人は、「超ゆっくり見せる」「口での説明は一番最後」と心がければとりあえずOK!
子どもが見せている途中で手を出してきたどうするの?
見せている途中で手を出してくるときなど、提示の際の言葉がけは次のようにするといいですよ。
- 提示する際の言葉がけ
- ・はじめるときは「見ていてね」
・子どもが途中で手を出してきたら「待っていてね」
・子どもがうまくできなかったら「もう一度見ていてね」
・子どもに「やらない」と言われたら、「また今度やろうね」
うまくできなかったときは「違うよ!」と言わず、「もう一度見ていてね」ともう一度見せてあげることが大切です!
5.適切な言葉がけをする
子どもの人格を尊重した言葉遣いを心がけましょう。
子どもができないのは…
- 脳の機能や運動の調整がまだ未熟
- 正しいやり方を知らない
- むしろ大人が正しく子どもを導くことができていないだけ
なので、まずは否定的な言葉やNG行為をしないところから始めてみることがおすすめです!
否定的な言葉やNG行為って例えばどんなもの?
- 否定的な言葉やNG行為の例
- ・「だめねぇ」
・「何やってるの!」
・大人が急き立てる
・先回りしてなんでもやってしまう
・大人の都合で中断する
・大人の「それは危ない」「大変だから」「まだ無理」「大人がやった方が早い」などの理由で代わりにやってしまう
・ほったらかす(ほったらかすと見守るは違う)
というような大人同士では使わない言葉や行為と考えておくとわかりやすいと思います。
逆に具体的にどんな言葉がけをすればいいの?
- 子どもの人格を尊重した言葉がけの例
- ・ありがとう
・うれしい
・助かるよ
・やったね
・がんばったね
というような、子どもを勇気づける言葉がおすすめです!
勇気づけとは…
- アドラー式子育ての考え方で、モンテッソーリ教育と考え方が共通するところが多く相性がよい
- 勇気づける言葉=子どもが「私には能力がある」「人々は私の仲間だ」と感じる言葉がけ
- 勇気づける言葉は、子どもが自立し、社会と調和して生きる力を育む
子どもにかけた言葉が「私には能力がある」「親は自分の仲間だ」と子どもは感じてくれるかな?と自己点検してみるといいですよ♪
- アドラー式子育てについて詳しくはこちら→【準備中】アドラー式子育てとは?簡単に解説!
日常でできるモンテッソーリ教育|2歳の我が子の事例
子どもにとっては日常生活のすべてが教材です。
我が家では今まで解説してきた内容を取り入れて実践しています。
今回は2歳の息子の事例をご紹介しますが、「うちの子は〇歳だから当てはまらない」とスルーしないでください!
大切なのは、「子どもがやりたがることを心ゆくまでやらせてあげること」です。
ぜひ日常でできるモンテッソーリ教育のエッセンスをつかんでもらえると嬉しいです。
- ゆるくま家で心がけていること
- ・子どもがやりたがることはやらせてみる
・環境を整えて促せばやりたがるかも!ということは、環境を整え促してみる
・子どもが「自分でやりたい」と思えるように工夫してみる
・なるべく一人でできるようにしていくことを心がける
運動
水遊び
「水遊びがしたい!」と言われたら、なるべくさせてあげられるようにしています。
プールは簡単に出してあげられないのですが、バケツなら簡単に出せるので、バケツで水遊びしています。
走ること
走りたい時期なのか、やたら走ります。
外ではもちろん、家の中でも走りたがります。
狭いアパートですが、走りやすいように廊下はいつも片づけるように心がけています。
ボール投げ
ボールもとても投げたがります。
家の中で投げても安全なボールを用意し、投げていい場所を決めて家の中でもボール投げをして遊んでいます。
トイレ
ひねる運動
- トイレのドアを自分で開ける
- 自分で流す
自分のことは自分でを練習すると同時に、手首をひねる運動にもなっています。
用を済ませる
- 踏み台や補助便座を用意して、自分で座れるように
- トイレットペーパーを自分で出す
- トイレに行ったらシールを貼るようにして楽しくできるように
トイレットペーパーは出すのが楽しくなってしまい、たくさん出しすぎることが多いです。
ここは「敏感期!!」と思って「ダメ!」というのを耐えています(笑)
トイレットペーパーを出すのに満足したら、提示をしてトイレットペーパーの出し方を教えています。
手洗い
- 洗面台にも踏み台を用意
- 暗いときは自分で電気を点ける
- 自分で洗う(水を出す、水量を調節する、石鹸を出す)
着替え
- 脱ぐ→お風呂の度に練習。脱いだ服は洗濯機へ
- 着る→Tシャツは一人でもできるように。ズボンはまだまだ
食事
- 自分で運ぶ、片づける
- ご飯を盛る
- お食事エプロンを自分でつける
- 自分で食べる。お箸に挑戦中
- 自分でお茶をそそぐ
- こぼしたら自分でふく
家事
- お米を研ぐ
- 掃除機をかける
- 洗濯物を洗濯ばさみからとる
- 金魚に餌をあげる
一部でしたが紹介してみました!もちろんこれら全部が毎回できているわけではありません。子どもの様子を見ながらゆっくりやっています
日常でできるモンテッソーリ教育のやり方|まとめ
モンテッソーリ教育は、日常の中で行うことができます。
モンテッソーリ教育とは、誰でも利用できるモンテッソーリが教えてくれた「子どもの考え方・助け方」全般のことだからです。
ゆるくま家では、モンテッソーリ教育の「子どもの考え方・助け方」を使って日常生活で実践しています。
モンテッソーリ教育の子どもの考え方、助け方とは次のようなものがありました。
しかし、全部がいつも完璧に実践できているわけではありません!完璧を追い求めて苦しくならないようにしてくださいね♪
今回は、我が家の実践も紹介しました。
自宅でできるモンテッソーリ教育についてもっと知りたい方は、次の書籍がおすすめです!
またモンテッソーリ教育をもっと深く知りたい方は次の書籍もおすすめです!
親に知識があるかないかで子育てに差ができるなら、学ぶしかないね!